たぶん、7月と8月しか開いていないであろう公式カテゴリーでは1つ星のキャンプ場です。
フランスやヨーロッパの他の国でのキャンプ場のカテゴリー表示は、施設の充実度で決まりますが、フランス星1つでも温水シャワーが備わっているのが一般的です。
スペイン国境に近いフランス・バスクに属する小さ町HasparrenのCamping de l'Ursuya、開放感と景色の良さで気に入っています。
Bayonneから南東25kmに位置するHasparrenの町からは、山道を辿ってキャンプ場に着きます。
車でもけっこう勾配を感じたので、荷物満載の自転車で訪れようとしたら途中で嫌になってしまいそうです。
しかし、クネクネと曲がって木々が覆いかぶさり薄暗い道を上がって行くと、やがて光が降り注ぐ開けた小さな尾根筋に出ます。
道路の右側に入り口、入ってすぐの小さなサニタリーを兼ねたレセプションは朝と夕方以外は閉まっています。
レセプション周辺にも幾つかのテントが張られていましたが、緩やかな傾斜で上り詰めたあたりがメインスペースとも言えます。
その木立の下の居心地良さそうなメインスペースは、先客たちで埋まっていました。
初めて訪れたのは2ヶ月という短いが充実していたであろう、そのキャンプ場のシーズンが半ば過ぎた8月中旬、メインスペースは酷使のためか草が草臥れていました。
メインスペースの先にはメインのサニタリー棟、そこから先は天候次第では霞んで見えなくなる向かいの山裾にダイブして行くかのような緩やかな傾斜の広々とした地面、その広さと草の勢いがテントを張りなさいと誘ってくれていました。
傾斜地で安眠を得るには、それなりの経験と知識が必要です。
頭は当然ながら上の方に、しかし足を下げすぎるとずり落ちたり昼間の酷使で足に溜まってしまった疲れを翌朝まで引きずってしまいます。
組み上げたテントを持ってなるべく傾斜のゆるい場所を探し、傾斜に対して斜めに少しずつ角度を代えながら何度かテントの中で寝っころがってみて決まったらテントを体と平行になるように固定します。
そうして見つけた場所でも足の下がり具合が許容できないようだったら、荷物を足の下に置いて高さを確保します。
経験と知識で見出した適度な傾斜を背中に感じる寝ぐらは、毎日8時間以上の安眠を与えてくれました。
柔らかな線を描く向かいの山を眺めながらビールからワインと進み、味見をしながら作った食事はいつも以上の満足度を与えてくれました。
2003年と2004年を合わせて6泊程、このキャンプ場にお世話になっています。
私は、キャンプ場での生活に開放感と最小限のプライバシーという矛盾した事を求めています。
公式カテゴリーは星1つですが、サニタリー棟のトイレとシャワー室の数が少なくても、トイレに紙が無くても、シャワーの温度が多少低くても、前面に広がる抜群の景色と開放感、広々としている事から最低限のプライバシーを得る事が出来るCamping de l'Ursuyaに文句なしに星3つを与えました。
名称 | : | Camping de l'Ursuya |
場所 | : | Hasparren |
アクセス | : | Bayonne;Pau方向;D1; --> Briscous;D21 --> Hasparren |
地図 | : | ViaMichelin, Google maps |
区画 | : | 区画割なし |
地面 | : | 傾斜あり、良い草 |
シャワー | : | 温水/無料 |
トイレ | : | 紙なし |
評価 | : | ★★★ |
料金 | : | 7.57Euro |