タイムリー/ノットタイムリー
Vol.14
Intermezzo..... 1999 - 2000

Contents
Primavera  11 Mar. 2000 Y2K Vuelta  26 Dec. 1999
当たるも、当たらぬも...その2  13 Dec. 1999当たるも、当たらぬも...その1  28 Nov. 1999
11 Mar. 2000
Primavera
春になっちゃいました。1月、2月とさぼってたこのページを久しぶりに更新します。

3月18日のMilano - San Remo からワールドカップが始まり、そしてロードレースの幕開きだというのがほんの数年前まで私の中の「常識」でした。
1997年からWeb を覗きはじめ、貧弱な英語理解能力で2月頃からシーズンが始まるらしいというのが、おぼろげながら見えてきました。
作年末から、InfoCiclismo の翻訳をされている東郷氏の了解のもと、私のページに転載しています。
HTML Language で修飾する作業をしていると、ヨーロッパの事情が少しずつ判ってきました。東郷氏には本当に感謝をしています。

ロードレースのエリートたちの完全休養って、多くて一ヶ月程度なのですねえ。
年が明けると南半球に移動して オーストラリアのJacob's Creek Tour Down Under で始動。マレーシアのTour de Langkawi、 南アフリカのVodacom Rapport Toer、スペインの・・・、イタリアの・・・、フランスの ・・・、と何だか2月にシーズン真っ最中になってしまった感じもあります。
年の初めの温暖な地域のレースは選手たちにとって、3月の本格シーズンに向かっての調整としてのポジションであるようです。

いろんなwebサイトで今シーズンの予想、期待をコンピューターのモニター画面に載せるように仕掛けてくれています。
例えば、うえはら氏が
Road Race 2000 Preparationに独特の視点からのトレードチームの分析、思い入れのある選手について書かれています。
共感するところもあり、ちょっと私の見方は違うなあ・・・・・というところもあります。面白く楽しませてもらいました。

ちょっと興味を引かれる文庫本を見つけました。
「イタリア旅行の王様」光文社・・・・というどっかで聞いたような題目ですが、これが面白いのです。
ページを5つもめくれば、必ず1度は「あっ、そうそう、同感だ。」「やっぱりねえ。」と飽きもせずにせっせっとイタリア通いをしている私は、何となく嬉しくなるのです。
私よりよっぽど、贅沢な旅をしているように察せられる著者は、懐具合の問題で私が踏み入れたことがないようなところの情報もちゃんとフォローしています。・・・・というか、ガイド本を書くためにはそれが普通でしょうね。
アルベルゴ(宿)、リストランテ(飯屋)に付いての諸々は勿論のこと、レンタカー事情、ベース基地を決めての小旅行ガイド、必要最小限のイタリア語操り法、etc..たいていのことはこの本で間に合いそうです。
もし何かの間違いで、イタリアに行ってGiro d'Italia と諸々を楽しもうか、と思われたら本屋で立ち読みしてみてください。・・・・お奨めします。


日経ナショナルジオグラフィック社発行の「THE NATIONAL GEOGRAFIC TRAVELER フランス」というガイドブックはTour de France フリークの方に奨めます。
ページ毎のカラー写真、色付き地図、上質紙、National Giographicらしい解説と構成、もう「最高」です。
400ページで約2,000円、これは「買い」ですよ。「地球の歩き方」等の純国産のガイドブックとは、物理的にも、内容でも「重さ」が違います。
泊るところ、公共機関での移動方法については、読んだ範囲では載ってないと思います。全部読んでないので、不確かですけど。
車で移動することを前提にしているようで、ドライブガイドなんてのもあります。「オーメドックのワイン街道」「料理と酒」などとソソラれるページも満載です。
そして極めつけ、14ページを開くと見開きでTour de Franceの写真が歓迎してくれます。
ガイドブックで自転車レース写真が載ってるなんて、他にはないように思います。「必、立ち読み」ですね。
「イタリア版」早く出ないかなあ、と首を長くしています。
▲
26 Dec. 1999
Y2K Vuelta
20世紀最後のVuelta a Espanaは、個人タイムトライアルが3回もあります。最終ステージのMadridまでもが、個人タイムトライアルです。
どうしてもAbraham Olano(spa)かスペインチームのエースに取らせたいようです。フランス人Laurent Jalabert、スイス人Alex ZulleでもオーガナイザーにとってはOK!なのでしょう。彼ら2人は、2000年もスペインチームから離れないでしょうから。
今年のVuelta a Espanaで、Jan Ullrich(Ger)に次いで総合2位に入ったIgor Gonzalez Galdeano(spa)も、タイムトライアルでそこそこの成績を残していますから期待できるでしょう。

2000年のGiro d'Italiaのコースは、いつものように明らさまにMarco Pantaniの為に作られています。
そしてVuelta a EspanaがAbraham Olanoの為に作られていてるとしても、何ら不公平なことはありません。
当たり前の事ですよね、オーガナイザーたちは、自転車競技と選手達を愛すると同じくらいに、納税することによって恩恵を受けている祖国も愛しているでしょうから。
お楽しみ、山頂ゴールが5回もあります。これはJose M. Jimenez、Fernando Escartinなどのスパニッシュクライマーのために用意されています。
結構バランスの取れたコース設定と思うのですが、休息日を山岳ステージでない日を挟んで2日設定している事がよく分かりません。何のためでしょうか?

スペインという国は、好き嫌いの別れる国だと思います。
遥か彼方まで続く葡萄畑とオリーブの木々、乾ききった大地、空は宇宙まで抜けて行きそうな青、灼熱の太陽。
イベリア半島の中央部から南にかけて、そのような風景に出会えます。
大西洋へと北上すれば、緑濃い北イタリアと同じ様な風景が展開します。ピコスデエウロパ(Picos de Europa)に代表される北部山岳地帯は、峰々を大西洋へと写し込むようにして砂浜を狭めています。

町ごとに特徴のある建物、色使いが未だに生きています。
道端には落ち葉に隠れたペットの糞、紙袋、ビニール袋、色褪せた新聞紙、食物のかけら、アンモニアの臭い etc.が満ち満ちています。例外的に綺麗な町もあります。
日本という決して綺麗な街角とはいえない国に住んでいると、「きたねえなあ。」と思いつつ、ある種の安心感も持てます。

変化の激しい、雄大な風景に魅かれて2000年のVuelta a Espanaに出かけてみようと思っています。
Pantaniが出てくれたら嬉しいんですけど、彼は出る予定がなさそうです。


参考として、InfoCiclismo翻訳版を.....
▲
13 Dec. 1999
当たるも、当たらぬも...その2
CSのSky sports3の録画でMariano Piccoliがステージ優勝してるのを見ました。Giro d'Italia 1998年のダイジェスト版(30分間)でした。
夜中とか平日の昼間に放送しているので、何回分かまとめて見ています。
Paolo Savoldelliの名前も、放送でよく出てきます。前の方でよく動いていたようです。今年のGiro d'Italia総合2位がフロックではなかった事を、去年に遡って検証できます。
Piccoliって、中盤から終盤にかけてテレビでよく目立ち、ギャラリーに退屈という言葉を忘れさせてくれる良い選手です。
Andrea Tafiもいい選手ですね、Giro d'Italia等のステージレースでよく逃げていました。世界選手権でも何度も逃げて、少数のトップグループの形成に尽くしていたようです。

このイタリア3人の内1人でも、2000年の主役になれば嬉しいのですが、まずそれは無いように思います。けれど若きSavoldelliは、これから数年後にもっと上段の台に上がりそうに予想します。
Piccoli、Tafiは2000年もテレビ画面にしばしば登場するでしょうが、3大ステージレース最終日の最後の表彰台に立つことはないでしょうねえ。それほどの星の下には、いないように思います。

TVE(CS放送)からのリアルタイム画像のVuelta a Espanaで、その潜在能力を見せてくれたFrank Vandenbroucke (Cofidis/Bel)が面白いと思ったのですけどねえ。

翻訳されている東郷氏の了解を得て、転載したInfociclismo翻訳版12月1日版あたりを見ると、シーズンオフ一番の話題を提供しています。
Cofidisを出るとか、出ないとか、他の有力チームはあまり彼を取りたくないようなそぶりを見せているとか、去年のRichard Virenque (Fra)の騒動に匹敵するくらいです。
下手にこじれなければいいのですけど、悪くすれば彼は潰れてしまうでしょうねえ。せっかくの才能を生かして貰いたいものです。

で、誰がGiro d'Italia、Tour de France、Vuelta a Espanaの主役になるのか?
気持良く、あまり何も考えずに、軽く予想すると、やっぱりMarco Pantani (Ita)でしょう。
個人タイムトライアルで決定的な差をライバル達から貰うことがなくなりつつあり、山岳では突出した才能を見せ続けてくれている彼が、Giro d'Italiaで優勝することは疑う余地もありません。そのままの勢いでTour de France、Vuelta a Espanaも取ってしまうのでは。.....ちょっと無謀な予想です。
Pantaniについて、前出のInfociclismo翻訳版、
11月3日版でディアブロ(Claudio Chiappucci)が興味を引くことを言っています。
11月3日版......吉田氏に感謝します。
▲
28 Nov. 1999
当たるも、当たらぬも...その1
1990年、もう10年前になってしまった宇都宮の世界選手権。私のアルバムに二人の選手の後ろ姿があります。
世代交代の予感をそこに居た誰もが持ってたであろう、LemondとIndurain。
アグレッシブさと繊細さを併せ持ってることを、日本で得られた少ない映像で見せてくれたGreg Lemond、彼は優勝最右翼に位置する選手として宇都宮にやってきました。
Miguel Indurainは、数年前から将来を期待されるスペイン選手として注目されていました。

彼らの後ろ姿から予感されるように、時代はLemondからIndurainへと移りました。

そして、Indurainも舞台から去っていきました。
Indurainと共に時代を過ごし、彼の影を追っても追付けなかったエリート選手たちも徐々に舞台から去って行きつつあります。
ドイツからのディアブロは、イタリアのディアブロが行方不明?になった後も、Giro d'Italia、Tour de France、Vuelta a Espanaに欠かさず姿を見せているようです。世界選手権の画像にも彼のシンボルである、返り付の三本鋤?が道路に描かれていました。
元祖ディアブロClaudio Chiappucciは何処へ行っちゃったんでしょうか。

IndurainがBanestoチームで、せっせとアシストにいそしんでいた頃のエースPedoro DelgadoはCS(スカイパーフェクトTV)の垂れ流しTVE(スペイン国営放送)で、Vuelta a Espanaのゲストとして連日喋りまくっていました。言葉が分かればもっと楽しめたでしょうけど、さっぱり分からなかったです。Delgadoがあんなにお喋りだったなんて、意外でした。やっぱりラテン人ってことですか。

1999年は、次時代の主役になる可能性を持った選手たちが、テレビ画面で写し出された年でした。
それもこれも、CS放送で現地のTV局が撮った映像をそのまま?流してくれたおかげです。1ヶ月1,000円ちょっとの投資でそれが得られたので、私は満足しています。初期投資に30,000円位は必要でしたけどね。
放送終わったら解約、次の年に再契約というパターンで当分はGiro d'Italia、Tour de France、Vuelta a Espanaの映像を楽しめそうです。10年前に比べれば夢のようです。信じられないくらいです。

2000年は、誰が主役となるのでしょうか。当たるも、当たらぬも...の予想をやってみましょうか。
Jan Ullrich? Lance Armstrong? Marco Pantani?他にも。
ちょっと考えてみます。ちょっと時間掛りそうです。
▲
line
タイムリー/ノットタイムリー----Top page
Vol.18[Vuelta a Espana 2000]
Vol.17[Tour de France 2000] Vol.16[Giro d'Italia 2000]
Vol.15[Primavera 2000]Vol.14[Intermezzo..... 1999 - 2000]
line
home
line
Copyright (C) 1999 Masayuki Kusunose