タイムリー/ノットタイムリー
Vol.15
Primavera 2000


Contents
  13 May 2000
Gino Bartali  7 May 2000
Giro d'Italia に向かって  3 May 2000
Pizza  15 Apr. 2000
Primavera  27 Mar. 2000
13 May. 2000

いよいよGiro d'Italiaが始まります。
お騒がせのPantani はギリギリまで出るか否かをはっきりさせないようです。いや、本人は出る気十分の様ですかね。

いずれにしろ、今年も「薬」問題がGiro d'Italia を駆け巡りそうな予感がします。
.........もう自転車レースでは、UCIから派遣された「吸血鬼部隊」の随行があたりまえのようですね。
今年、最高ヘマトクリット値達成者は誰になるのでしょう。
(EPO使用)=(高ヘマトクリット値) という図式は必ずとも正しいとは限らないでしょうが、残念ながら自転車レース界では、イコールが成立することが多いようです。
EPO ってのが脚光浴びる前は、血液ドーピングで高ヘマトクリット値を稼いでいたようで、色んな噂がありました。

EPOの次は、どんな新薬が脚光を浴びるでしょうか。
ドイツ、スイス、アメリカ、或は我が日本のメーカーが新薬を開発済みでGiro d'Italia で臨床実験を敢行するかもしれないですね。
.........あっ、やばい言葉か?.........部品メーカーの「新製品」の臨床実験でしょう。

薬やることは、悪いことじゃあ無いと思うんですけどね。
メリットとデメリットを十分承知していれば、自分の責任で使っていいんじゃないかと。例えそれで健康障害を得たとしてもです。

我々一般人も風邪ひいたり、下痢、腹痛、筋肉痛、めまい、頭痛.........などが生じた時に、それがどのような障害を体に与えてくれるか十分に判らずに「薬」を使っています。
酒と風邪薬で十分に死に至る事も、日本で実験してくれましたしね。

プロスポーツの過酷な世界で、常に高いパフォーマンスを維持するのは、並大抵なことでは無いでしょう。
肉体的、精神的、技術的な諸々を完成の域まで高めたとしても、それを少しでも長く維持するためには「もう少しの何か」が必要となるでしょう。その「もう少しの何か」が「薬」であっても何の不思議もないと思います。
その薬の中に禁止薬物が含まれているかどうかが、「スポーツ精神」に背く分岐点になっちゃいます。
まあ、実際のところ確信犯で、バレない様にひっそりと薬を使っているのが実情でしょう。なんだか可哀想そうですね。

薬に頼らなくてもいいような環境を作ったとしても、つまりロードレースの過酷さを軽減したとしても、ライバルに勝つ為に薬は相変わらず使われ続けるでしょうね。
薬というものが世の中から無くなってしまうか、代替え品が現れるまで使われ続けるでしょう。

人類が滅び去るまで薬は無くならないでしょうから、彼ら可哀想なロードレースエリートを救うのは「思想」という代替え品でしょう。
ファシズム、共産主義、自由主義、右翼思想、左翼思想.........政治的思想では代替え品として、一寸弱いでしょうね。
ファシズムと右翼思想がこの中では有力でしょうが、これらには遠慮してもらいたいですね。
やっぱり、宗教ですかね。それもかなり先鋭化した「自転車教」「スポーツ教」なんてのが代替え品としてよさそうです。
各チームに司祭が居て、毎日毎日せっせと選手たちを洗脳し、個人を埋没させて闘争的で、なおかつチームのために身を捧げる事に何の疑問を持たない思想をチームに植え付ける。これならいけそうです。
彼らは疲れを知らない、旧東ドイツを彷彿とさせるコマンドになれるかもしれません。
それも嫌ですね。
Pantani、Vandenbroucke 等のようなお騒がせマンが埋没して見えなくなってしまいそうです。
Web 見る楽しみがなくなってしまいそうです。

彼らには、薬で急死すること無いように健康管理に気をつけて、薬を使いながらでも話題を提供し続けてていただきたいですね。
彼ら.........とは決して、Pantani、Vandenbroucke のみを指すわけでもないし、2人が「薬」使ってるかどうか断定するものではないですが、どうなんですかねえ。

Ullrich のブーちゃんは相変わらずですね。「食欲を抑えられない」そうです。
彼とCommessoが「巨頭並び立ち」Tour de France に出てくるのでしょうね。
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7 May. 2000
Gino Bartali
Giro d'Italia に、自ら小さなFiat のハンドルを握って現れていたGino Bartali 。
そのイタリアの偉大なチャンピオンが、5月6日にFirenze 近郊のPonte a Ema で亡くなりました。1914年7月18日生まれということで、85才だったのですね。
1998年、1999年と彼の姿を見ていなかったのですが、その時は少し残念というくらいの気持で、「また見ることできるやろ。」と今度Giro d'Italia を見に行く時まで、楽しみを取っておくつもりでした。
それは、果たせなくなってしまいました。

Gino Bartali が現れると老いも若きも、Fiat の回りを取り囲んで、「ジーノ、ジーノ」と歓声をあげるのがなんとも微笑ましくて「イタリア的」でした。

Giro d'Italia の集団がやってくる半時間から、一時間前にかつてのスター選手が1人、2人と沿道に現れます。
その中でもBartali は、周りの雰囲気から特別な存在のように感じられました。

Bartaliの記事は、

http://www.cyclingnews.com/results/2000/may00/may6news.shtml
インフォチクリズモ(5月5日)

Giro d'Italia 第9ステージのPrato - Abetone (5月22日)が彼のためのメオリアルステージになるということです。(cyclingnews より)
Giro d'Italia で7回山岳賞を獲得した彼にふさわしい山岳ステージです。
イタリア人クライマーの奮起が期待できますね。
Gino Bartali
8 June 1996 - La Gazzeta dello Sport
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3 May. 2000
Giro d'Italia に向かって
5月です。次の週の13日、土曜日からGiro d'Italia が始まります。
Pntani は出ないでしょうね。出たとしても、最後のステージまでは持たないでしょう。
休息時間が長すぎます。こりゃあダメですね。
------- Pantani -------
1995年にMilano - Trino で事故の後、高ヘマ トクリット値(60.1%)が計測され、"スポーツ精神"に背いたとして告発されている(インフォチクリズモ 4月21日)

60.1% この数値をどう見るか、たぶん異常に高い値なのでしょうね。
でも、"スポーツ精神"っていったいどういうやつなんでしょうか。イタリアでは、そんなことで裁判起こせるのですねえ。
日本ではしょうもないドリンク剤を飲んで、メダル剥奪されたドジな方もいらっしゃいました。たぶん、裁判沙汰にはなってないでしょうね。
イタリア政界は日本以上にドロドロで、首相経験者などが起訴されたりしています。
"スポーツ精神"に背いた何て理由で起訴されるのは"軽い"事でしょうから、なんとか切り抜けるでしょうね。
もしかしたら、何らかの"政治的"意図から5年も前の事を掘り返している・・・・というのは、読みすぎ?かな。
Pantani が復帰するのはいつのことでしょうか、このまま消え去るのでしょうか?
スペインチームに移籍という噂もありました。Vuelta a Espana にスペインチームで出るなんて事が現実になったりして。
まあ、なんともお騒がせなスキンへッドです。

今年のGiro d'Italia は誰が最後にマリアローザを着る事になるでしょう。
Gotti が連続? Tonkov にも期待します。
あっ、Gotti も薬でやばい状態ですね。でもどこかのレースには出ているようです。
そろそろ若手の Paolo Savoldelli、Danilo Di Luca、Roberto Sgambelluri などのイタリア人がPantani のポジションに取って変わるかも。
地味な存在ながらも、山岳で必ず前の方にいるGilberto Simoni も何かやりそうですね。

「新スター誕生」などという大きな展開があると面白いんですけど、さてどうなることやら。
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15 Apr. 2000
Pizza
春のクラッシックレース真っ盛りです。4月16日のLiege - Bastogne - Liege 、4月22日のAmstel Gold Race とワールドカップは続き、そして8月まで中休み。
5月ともなれば、Giro d'Italia に向かってのイタリアを中心とした各チームの戦術戦略情報が、webを賑わすのでしょうか?
Tour de France に向かっての情報も確認、未確認を問わず賑やかになるでしょうねえ?

通勤途中の田んぼに水が張られ、ちらほらと田植えが始まっています。
Giro d'Italia の頃の北イタリア、中部イタリアの空気と風景が、今の時期から5月中頃の爽やかな日本とオーバーラップしてきます。
空気、風景ともに彼の地の方が私には、少し上に感じられますけどね。
......田んぼはイタリアで、まだ見たことがありません。米は作ってると思いますけど。.......フランスで田んぼらしきものを見たことあります。

Giro d'Italia を見行ったら外せない物が幾つかあります。
cafe(コーヒー)、vino(ワイン)、birra(ビール)、prosciutto(ハム)、salame(サラミ)formaggio(チーズ)、olio d'oliva(オリーブオイル)..........何はともあれ、やっぱり食い物です。
果物も、野菜もそれら本来の味がまだ保たれています。よだれが出てきそうです。
Firenze、Siena、Venezia などの町並みと絵画、スキッとしたオネーチャンの美しさ、草臥れていない爺さん婆さん、選手の脇を喚きながら走る中年..........とっても魅力的ですが、やっぱり食い物ですね。

Mestre という町があります。Venezia から鉄道で陸に戻ってすぐの町です。
ある年、Veneziaを歩きまわって堪能し、空腹感と共にMestre駅から安宿に戻る途中でピザ屋に入りました。
馬鹿でかいピザのボリュームは十分に認識していましたから、いつもならピザとワインくらいで満足するのですが、そのときは一寸足りないかな.......ということでピザが釜から出てくるまでの一時の友として、チーズ関係らしきやつも注文しました。
出てきたのは、スライスしたトマトの上に柔らかいチーズ、それが20cmくらいの皿に点々と乗っかったやつでした。チーズの名前?........その方面の知識ないんですわ。
で、案の定ピザの最後の二三切れに格闘を余儀なくされました。
おかげで胃袋が拡張され、それ以降は食事と格闘する労力は必要なくなりました。

またある年、中部イタリアのキャンプ場の敷地内にピザ屋があったので、これはこれはと....出撃。あえなく撃沈されました。
トマトの上のチーズを食べたわけでもなく、他のボリュームたっぷりのオードブルを食べたわけでもないのです。
そこのオニーサンがピザを焼く釜で、ピザ生地と同じ材料で焼いたと思われる堅めの「何か」を出してきたせいです。
旨くて、ついつい食べ過ぎてしまいました。
何という名前が付いているか判りませんが、少し香草が入っていました。
今でもその堅めの「何か」を思い出して、また再び「挑戦」したくなります。
「苦し、楽し」の後は「楽し」の食生活が保証されますからねえ。

今年はイタリアに、Giro d'Italiaには残念ながら行きませんが、楽しみは来年に取っておきます。
スペインで「何か」いい食い物が待っていてくれるでしょう。
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27 Mar. 2000
Primavera
Milano - San Remo が終わりました。Erik ZABEL が3度目の勝利を手にいれ、今年当初から好調な滑り出しを見せていた世界チャンピオン、Oscar Freire が3位を得ました。
そして2位のFabio Baldato とFASSA BORTOLOのチームメイト達は、チーム総合1位のポイントを稼ぎだしました。
Jalabert も相変わらずいいポジションで、ゴールしています。彼は今年当初から、ちょこまかちょこまかとUCI ポイントを稼ぎ続けているようです。
アベレージヒッター、三割打者そのものの様に感じているのは私だけではないでしょう。ちょっとマンネリ化してきた感もないではないですが。ちょっとJaja に失礼かな?
彼のようなエースを持つチームは、年間スケジュールが立てやすくていいですね。


それに引き換え、「今日、昨日」(phto 28kB)とポスターをアレンジされてItalia の大エースへの道を歩んで行く.........かと思われた「海賊」Marco Pantani は今や失速寸前。
心理的治療を始めるために、住み慣れたCesenatico から離れたようです。.........何じゃこりゃ!
心理的療養?を受けるなんて、数十年に1人のあふれる才能を持ったイタリア人は、体のみならず心もガラスのエースになってしまったのでしょうか。
いや、もともとそういう要素を持っていたのかも。バイクや、ベンツでつまらない事故をやってますものねえ。
イタリア人らしくない風貌を持った彼は、東洋の修行僧にも例えられるような物静かさを持っているようです。イタリアでは子供たちにとっての、憧れの的ともなっているようです。
そして、細やかな神経を持っているようにも見えます。どちらかというと神経質のようにも。
ガラスのエースには、高ヘマトクリット値への弁明もこれから控えています。
このまま、ずるずるといってしまいGiro d'Italia に登場しない何て事になったら、悲しむ人たちが多いことでしょう。私もその一人です。

イタリアの新チームFASSA BORTOLO に注目しています。2000年からのチームなのにいきなりのディヴィジョン1ですね。
さっそく、Milano - San Remo でチーム成績トップになっちゃいました。
確固たるエース、スターを擁しているとは思えないチームですが、アシストとしての働きを十二分に果たしてきた経験豊富な「第二」「第三」の男たちをイタリア自転車界に少なからず影響力を持つ監督が掻き集めてきたチームは、今年の「目」になるのではと期待しています。
マッサー中野、メカニコ永井の二人が一生懸命にチームのために働いていることですし、是非「目」になってほしいですね。

目尻に線を2、3本刻んだ穏和そうな顔のロシア人Konychev(photo 34kB)、けっこう好みの選手なんですよ。1999年のGiro d'Italia に出ていなかったので、どうしたもんだろうと思っていましたが、後半は目立ってましたからFASSA BORTOLO での活躍が楽しみです。
このチーム、「第二」「第三」の男が大化けするか、有望な若手が躍進するか、どちらかになるような予感。
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