74 Giro d'Italia '91
74 Giro d'Italia_Sprite

《1》Langhirano

■Zurich
チューリッヒのクローテン空港は、日本の空港とは違い照明を少し落としているのか落ち着いた雰囲気です。何んと言っているのか判らない場内放送は、ほどよくエコーがかかっていてこれまた日本とは違った雰囲気です。
空気と匂いも日本とは違っているのが感じられ、ついにヨーロッパに来たんだなあ、ということを実感させてくれます。

市街地へ出る電車の切符の買い方が、皆目わからない。先に硬貨を入れても自動販売機は相手にしてくれないのです。何度か同行の二人と試みたが、全く反応してくれない。仕方ないので窓口で買う。
後で判ったのは、先に行き先一覧表から目的地を選ぶと、料金が表示される。それに応じて硬貨を入れたら、切符が出てくるという仕組みでした。

■Autobahn、Autostrada
スイスのAutobhanは広くはないが、良く整備がされている。路面もトンネルの照明も良くて、快適なドライブを提供してくれます。アルプストンネルを抜けてイタリア語圏に入ってもAutostradaは良い状況です。
しかし国境を越すと状況は変わります。路面にでこぼこがけっこうあります。大きくはないので、運転にはそれほど支障がないのですが、スイスとのギャップを感じてしまいました。
スイスのAutobahn、Autostradaは無料ですが、イタリアのAutostradaは有料。しかし整備状況からいえば逆のようです。

■Langhirano
10attappa(第10ステージ)ゴールのLanghirano(ランギラーノ)はParma(パルマ)でAutostradaを降りて、南西へ約20km。町の手前で初めて見たプロチームのサポートカーに心を躍らせて、早く行かなきゃとイタリア人をまねて路上駐車。町に着いたときは既にcronometro individuale(クロノメトロ・インディヴィデゥアーレ=個人タイムトライアル)は終わっていました。

此処で、もう一人の友人と落ち合う予定でゴール地点を探しました。ところが、どこがゴールなのか判らなくて会えませんでした。
彼は、以前にGiro d'Italiaを見に来たこともあり、イタリアに慣れているようで、我々三人はおおいにあてにしていました。

町中をさまよっている時、おじさんが「日本人か?」と声をかけて来てました。「そうだ。」と答えると、無料で配ってるチーズを私たちに採ってくれて、人混みの中、何回も後ろを振り返り、ついてこいという風に手招きし、行きつけのBar(バール=喫茶店?)まで連れていかれ、「このチーズはコーラと合うんだよ、ゆっくり座って味わいなさい。」と、多分そう言ったと思いますが、冷えてないコカコーラをおごってくれました。

イタリアのBarで出すコーラは冷えてないのが多いと思います。氷を入れろと言えば入れてくれるでしょうが、私はそれ以来Barでコーラを飲んだことはありません。冷えたBino(ビーノ=ワイン)やBirra(ビッラ=ビール)の方がコーラより安いですから、どちらを飲むかは言うまでもありません。
そのとき以来Barで座ったこともありません。立ったままで飲んだ方が安いですから、これもどちらをとるか言うまでもないでしょう。

そんな贅沢品のコーラをおごってくれると共に、イタリア人の気さくさ、陽気さを教えてくれたおじさんに今でも感謝しています。

あてにしていた友人に会えずにその日は、田舎道沿いの車中で一夜を過ごす羽目に。食料もろくになく、手に入れるあてもなく、非常食のカロリーメイトをかじって、「なんちゅうこっちゃ、あいつに会えてたら、今頃はRistorante(リストランテ=レストラン)で一杯やってたのに。」と情けない気分になりながら浅い眠りに落ちていきました。

Guida rapida d'Italia(TCI=Touring Club Italiano 発行)日本語版 のParmaを紹介したページに

「イタリアの食はパルマにありという人もいる。(中略)パルマ低地の特産品はクラッテロソセージculatelloと、ランギラーノ・ハムprosciutto di Laghirano・・・・」
とあります。そういえばLaghiranoで「無料大奉仕!」で気前よく配っていたサンドイッチの中に入っていたハムは旨かった。あぁぁ首尾良くRistoranteへ行けてたら、素晴らしいハムとピザ、パスタに、そしてVinoに酔いしれていたことでしょう。今だに残念だと思っています。

この夜の状況が暗示していたかのように、Sestriereで、Passo Pordoiで選手達を待つ間、常に空腹感から解き放たれることはありませんでした。
何故って?翌日出会えた最後のメンバー、一番頼りになるメンバーが慢性金欠病だったからです。そして他の三人は、語学上の理由でスーパーマーケット以外で買い物ができなかったからです。
Guida rapida d'Italia(TCI=Touring Club Italiano 発行)日本語版 は「NTT出版」が発行しています。題名は「イタリア旅行協会公式ガイド」全5巻です。
高価ですが、小さな町の歴史も詳しく載っていますし、中規模の町の市街地図も載っています。イタリアに興味を持っている私は重宝しています。
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