スパークリングワインの有名産地であるシャンパーニュ地方の田舎町、公営の小さなキャンプ場です。
小さなといっても50位のテントサイトは有ったのですが、サニタリーを改築中でその周辺工事の為か良い草の領域が少なくて管理人の住む建物の横の草が良い場所にテントを張りました。
2003年、Tour de Franceの前半の時期に利用しました。
その年の8月は恐ろしく暑い日が続いたのですが、Tour de Franceの7月にその予兆は有り、強い陽射しの中でヨーロッパ各地から集まって来た観客達と共にTour de Franceの選手を待つという数時間のせいで、エアコンの温度設定を最低にした車から積極的には出たくなくなってしまい、陽射しが和らいでからでないとキャンプ場を探す気になれませんでした。
そうした日々の中、探す時間を最小限にするために妥協して選んだキャンプ場だったので居心地には余り期待せず、テントを張ってからさっさと飯食ってワイン飲んで寝ようとチェコで仕入れたコストパーフォーマンスに優れたビールを飲みながらいつもの様に夕食を作っていました。
すると、隣のテントから「コンニチハ、オゲンキデスカ。」とオランダ人からのお声掛り、驚いて「コンニチハ、ニホンゴデキルノデスカ。」で話が始まりました。
かつて船乗りで横浜の造船所に新造船の受け取りに行った事があるという人物で、日本語が堪能でそのうえ分かり易い英語を使ってくれます。
日本の話とか、フランスに何しに来たのかとか話してから彼は自分のテントに帰って行き、そして食事を食べ始めた頃に再訪問してくれ、食事後にシャンパンを飲みに来ないかと誘ってくれました。
勿論、即座にOK。
いつものシンプルな野菜スープに仕立てた夕食を片付け終わる頃、再びこっちへ来なよというお誘い、隣のテント横のテーブルへ直行しました。
長テーブルには、声を掛けてくれたオランダ人夫婦とその隣のテントの夫婦、キャンプ場の管理人夫婦とその息子、初老の男が一人、以前からの友人のようで夕食後の歓談中。
赤ワインとチーズで歓待してくれ、そのうちにキャンプ場の管理人が素晴らしいパーフォンマンスを見せるからとシャンパンを引っ張り出し、オランダ人が車の中からサーベルを取り出してシャンパンを容器に留める為に差し込まれた栓の抜け止め針金の下を勢い良く切ってくれました。
これには、文句無しの拍手。
周りの人から、このパーフォンマンスの達人だと言われて納得、2本目のシャンパンも栓に傷を付ける事なくギリギリの線をサーベルが切り裂きました。
このパーフォンマンスはシャンパンサーベルと呼ぶらしいのですが、キャンプ場で見ることが出来るとは何という幸運だった事かと思います。
シャンパンはベルギー製のブラックチョコレートとベストマッチングと言われて試してみましたが、この組合せは素晴らしかったです。
東洋の神秘系の箸をオランダ人が人数分持ち出して来たという流れで使い方の講習、素晴らしいシャンパンサーベルを披露してくれた彼に感謝し、ペンを持つように親指から始まる四本で二本を持ち、ゆったりと伸ばした人差指の腹を箸の一本目に添え・・・・・・・・・・人差指と中指を動かし二本を広げたり閉じたりして食事に使うのだよと謹んで教授させていただきました。
手練のシャンパンサーベル、おまけの楽しみながらの自己流箸講座、楽しい一夜でした。
こんな幸運に巡りあう事はめったに無い、いやもう二度と経験出来ない事かもしれません。
3つ星な出来事が有ったので、キャンプ場の評価は底上げして星2つとしました。
名称 | : | Camping Municipal |
場所 | : | Val-de-Vesle |
アクセス | : | Reims;N44 --> D34 --> Val-de-Vesle |
地図 | : | ViaMichelin, Google maps |
区画 | : | 区画割? |
地面 | : | 草地 |
シャワー | : | 温水、無料 |
トイレ | : | 紙無し |
評価 | : | ★★ |
料金 | : | 4Euro |