州の端に位置し、かろうじてToscana(トスカーナ)州に入っているChiusiという町にLa Fattoriaという気に入ったキャンプ場があります。
何度も利用しているのですが、ひな壇状に整地されたテントサイトは平らで草も大抵は良い状態です。
今年はあまり雨が降っていないのか、地面が硬くてペグの刺さり具合があまり良くありませんでした。
ペグの刺さり具合が大変よろしいといえるキャンプ場は、イタリアでは珍しい存在で、イタリアで3週間程もテント生活を続けていると、ペグを石などの硬い物で叩き込まなくてはならなくて、いつも数本のペグを曲げてしまいます。
La Fattoriaは、硬い地面といってもペグに対するダメージは少なくて、今年も良いキャンプ場としてカウント出来ました。
そのキャンプ場は、La FattoriaというAlbergo(アルベルゴ/宿屋)が管理していて、受け付けはホテルのレセプションで行ないます。
レセプションからは、同じフロアのRistorante(リストランテ/レストラン)の様子が見えます。
そのRistoranteの雰囲気が良く、いつかはAlbergoに泊まって食事を楽しみたいと思っていたのですが、宿泊料金がいかにも高そうなのでその機会がありませんでした。
今年、キャンプ場の受け付けをしながらメニューを見て、まあこれくらいならと。思い切ってRistoranteでの食事を決行しました。
開店時間の19:30、SienaとPienzaという好きな町を歩いて来て高揚した気分のままに、残っている昼間の暑さを心地よい風が何処かへ連れ去ってくれる夕暮れのテラス席に着きました。
1皿めのスパゲッティを食べ終わり、1ボトル8ユーロの赤のIGT(地ワイン)をパンを千切りちびちびと飲みながら、Toscanaの夕暮れ風景を眺めている内に、心地よい風は悪魔の風に変わりテーブルクロスが煽られて、ワイングラス1/3ぐらいの赤IGTを床と長袖シャツの袖口に飲まれてしまいました。
回りの席も小パニックに陥り、皆そそくさと室内席に移って行き、自分も赤IGTの少損失を悔やみながら、空になってしまったワイングラスとワインボトルを大事に室内に運びました。
風が悪魔に変身しなければ、Toscanaの夕暮れから夜に変わる風景を眺めながら最上の気分で夕食を終える事が出来たのに、いつもは涼しくてありがたい風なのに、この日は風を怨みました。
食事風景は、今まであまり撮った事が無いのですが、出国前に食の面でお世話になっている方からの要望があり、このような次第となったのです。
この日の2皿目は、羊のどの部位かはわからないのですが、適度な厚みをソティーした赤ワインソースのやつが4切れほど、2皿目と同時に出されるコントロレには生野菜サラダを選びました。
生野菜サラダは、オリーブオイルとビネガー、塩を自分で振りかけて調合するというものでした。・・・・イタリアでは以前からそうだったと思うのですが、2004年以来のRistoranteだったので、うろ覚えです。
これに1/2リットルのガス入りミネラル・ウォーター、エスプレッソ・コーヒー、コペルト(席料)が加わって32.5ユーロ、メニューから安いものをセレクトしてこの値段ですが、普通のレストランではこんなものでしょうか。
25ユーロで皿毎に数品をセレクト出来てドルチェのデザート付き、コペルトが含まれているであろうツーリスト向けのようなセットもメニューに載っていて、ワインをプラスして33ユーロ、エスプレッソ・コーヒーが1.5ユーロ、合計34.5ユーロ、デザートを考慮すると微妙なところです。
イタリアでは他に前日と翌日の2回、キャンプ場で食事をしました。
Giro d'Italiaの終盤ステージでゴールとCima Coppi(チマコッピ/最高標高地点)の筈だったのに、ゴールが5km程短縮されて標高1,665m(Edge705での値)になったBlockhouseから5km程下った所にある、草は生えて無く地面硬度は今年のチャンピオン、昼間でも暗い林間のキャンプ場のRistoranteで、赤ワイン1/2リットルとエスプレッソ・コーヒーを付けて17.3ユーロ。
Madonna del Ghisallo(マドンナ・デル・ギザロ)から北へ少し下った場所の草の状態が良くて地面が硬い小さなキャンプ場で、Ristoranteとは言えない構えでしたが、同じく赤ワイン1/2リットルとエスプレッソ・コーヒーを付けて16.9ユーロ。
キャンプ場での相場は、20ユーロで少しお釣が返ってくるくらいなのでしょうか。
イタリアでの3回の連続非自炊、以前にフランスのキャンプ場で引いてしまったような外れクジは無く、どこでも美味かったです。
切り売りでは無く、薪で焼いたピザを食べそびれたのが残念です。