:::: 3 Oct. 2003 ::::
コートダジュールきっての人気の観光地というSt.-Tropez(サン・トロぺ)は、私にとって夏の間は敬遠してきた町です。
渋滞と人の波は、その町の魅力を減らしてしまいます。
10月になったから、もう大丈夫だろうとSt.-Tropezへ行ったのですが、町の数km手前から渋滞、港そばの広い駐車場の端っこの方に車の居場所を見つけ、目的の場所を探しながらヨットの帆柱が乱立する港周辺を歩いていると、薄曇りの空に彩りを添える「赤」がありました。
その空間だけがパッと華やいでいました。
「赤」の端から端まで使って描かれた絵は、誰かの作品を連想させるのです。
他にも数枚の絵を道行く人々に見えるように並べていた場所もあったので、売り物なのでしょう。
本物の絵か、印刷物なのかは確かめていません。
目的の建物Musee de l'Annonciade(アノンシアード美術館)は、港の傍にひっそりと建っていました。
そこには、後期印象派(新印象派)と言われる作家たちの作品がこじんまりとした古い礼拝堂の壁に掛かっています。
ポール・シニャックが点描法で描いたSt.-Tropez港の絵と、それが掛かっている2階の窓から見える港の実風景を比べるのは贅沢そのものです。