InfoCiclismo
原典:Frank Gonzalez infociclismo
翻訳:Togo Mikio
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  インフォチクリズモ 7月13日 part2  http://www.infociclismo.com
  US ポスタルサービスサイクリングチーム公式ウェッブページより引用
http://www.uspsprocycling.com

***ツールドフランスレポート***
  ツール日記:  
7月12日 - "休息日"
ツールドフランスの Dan Osipow からレポート

* 今日は今年のツールドフランス2日あるうちの最初の休息日、車上にいる周囲 の人全てが感謝している。
このツール期間中にある "リズム" - 同じ時間に起き、 同じ時間に朝食を取り、同じ時間に出発し、ゴール迄運転する、等々 - に慣れ た人でさえ、休日があるのは助かる。
しかし、休日とはいえ他の人にとっての休 日には実際当てはまらない。
USPS チームは朝のうちに Toulouse から小さな St. Paul les Trois Chateaux 迄の3時間半の車による移動をした。
手短 な昼食の後、スタッフと共に VeloVacations のメンバーと対談し、チームは2時 間半の短い練習に出た。
練習の後、マッサージ台に戻り、午後7時30分に夕食を 取って、バントゥーの山頂にゴールする21km平均7.6%の勾配の登りが目玉の明日 の Carpentras から Mount Ventoux 149kmのステージに備えてベッドに入った。

* 今年のツールの天気は異例に寒く、7月中旬というよりも春のような気候だ。
"ツールドフランスというよりパリーニースのようだ。" と USPS チームジェネラ ルマネージャー Mark Gorski は言っている。
明日のステージに向けて、天気が 再び大きな役割を果たすに違いない。
明日ツールが行われるステージで、昨日一 般の自転車レースとライドが行われた。
7,000人の人が走り始めたがゴールした のはたったの4,000人 - Ventoux はサイクリスト達をほとんど視界ゼロそして痛 烈な気温そして吠えるような風で迎えた。
状況があまりに悪かったので、今日の 午後にツールのディレクター Jean-Marie Leblanc は Ventoux への登りを短縮 する可能性について検討した。
彼は決定を午後6時半まで引き延ばし、風が60-80kph に低下すると予報されたため、予定通りのスケジュールで行うと指令を出した。
優勝の前、このステージの状況の予報を聞いた時、ツールのリーダー Lance Armstrong は
"また雨のダンスを披露するさ。ちょうどあの晩のようにね。" と 語った。

* 休息日の間、チームの快適なホテル L'Esplan は完全に働いてくれた。
USPS のヘッドソイニエ Freddy Viaene は、今年このホテルに20回以上泊まったと白 状した。
チームはツール前の丸一週間の合宿でこのホテルに滞在し、Armstrong は、この地域内ではお気に入りのホテルのひとつだと言っている。
チームはまた 明日のステージの後このホテルに戻ってくる予定だ。
このとても小さなホテルは、 チームの到着と共に、昨日 Ventoux に自転車で登った Nike の Ian Todd と Tony Doyle そして Armstrong のコーチ Chris Carmichael、Lance Armstrong 基金の Jeff Garvey 等の来訪で活気を帯びている。

* Ventoux と彼の計画について Armstrong はこう語っている。
"厳しい登りだ。 私の感覚では、昨年のツールで最も厳しい登りだった。
これは何か非常に特殊で 神秘的な場所だから、何も決めていない。
とても厳しいのぼりだからこそ、調子 が良ければ、大きな差をつけることができる。
しかしそれはたった今の私のモチ ベーションや考えではなく明けてみなければ解らない。
即興で対応せざるを得な いだろう。
Ventoux についての物語は先程聞いた; Tommy Simpson があそこで命 を落としたのは良く知っているし、練習では何度となく、レースでは数回行った が、あそこは本当に他とは違う独特な所だ。
どちらかと言えば、山というより月 に近い。
私が最も妙だと感じるのは、あそこの頂上が標高1,900mなのにその他 の1,900m迄登った所とは全く違った感覚を持つことだ。
あそこには全く空気が無 く、だから全く植物が存在しないのだ。しかし、それは月のようにおかしな場所 だ。"

* USPS チームのスポーツディレクター Johan Bruyneel は今日全くツールのリ ズムとは違って "退屈" だと言っている。
一日6時間から7時間走るチームカーの 中で過ごし - テレビや選手の無線そしてラジオツールが始終がなりたてる車内 に - 猛烈なスピードで、全車輪が悲鳴を上げ、選手達への指示が飛び交う。
ホテルでの静かな一日はさぞ退屈なのだろう。

* 昨日のステージに続いて、Armstrong は選手達がどのようにマイヨジョーヌを 歓迎しているか尋ねられた。
"彼らは素晴らしいね。今日はチームが集団の先頭 を固めたからあまり多くの人には会わなかった。
風があって雨が降ったり止んだ り、だから今日はほとんど先頭にいたから、本当にあまり人に会わなかったんだ。
しかし、顔を合わせた人の殆どは非常に快かった。"
Armstrong はまた彼が集団のボスかまたは "支配者" と思っているのではないかと尋ねられた。
"いや、私 は集団に "支配者" がいた時期は終わったと思う。それは過去の事だ。
現在選手 の中に支配者はいないよ。全ての選手が自分のために存在する。それは終わった んだ。
それが良いか悪いか私には解らないが、選手達の中にもう Bernard Hinaults は存在しない。"

11ステージ後の総合成績
  1. Lance Armstrong,    USPS - 39:24:30
  2. Jan Ullrich,        Telekom - at 4:14
  3. Christophe Moreau,  Festina - at 5:10
  4. Marc Wauters,       Rabobank - at 5:18
  5. Peter Luttenberger, ONCE at 5:21
***
 30. Tyler Hamilton,     USPS - at 12:13
 62. Kevin Livingston,   USPS - at 26:18
 63. George Hincapie,    USPS - at 26:23
 64. Viatcheslav Ekimov, USPS - at 27:15
 80. Cedric Vasseur,     USPS - at 31:19
106. Steffen Kjaergaard, USPS - at 36:30
108. Benoit Joachim,     USPS - at 37:36
120. Frankie Andreu      USPS - at 39:59

* ツールドフランスに9回連続出場している、米国人最高記録の Frankie Andreu は、8月1日に正式決定する米国オリンピック代表チームに指名された。
今日の休 息日 Andreu は彼の妻 Betsy と息子の Frankie Jr. と共に一日一緒にいた。
そ して Mapei の Fred Rodriguez もシドニーオリンピックのロードチームに指名 されている。

* ツール最初の週に、赤玉ジャージ(山岳賞)と緑ジャージ(スプリント賞)を 一時期着ていた第5ステージの優勝者 Festina の Marcel Wust は明日のステー ジに出走しない。
このツールは Wust の長く、成功した自転車経歴の中で2回目 のツールドフランスとなるが、不幸にも1回目と同様の結果に終わった。
1992年 彼は初日に落車して棄権した。

- St. Paul les Trios Chateaux より Dan Osipow, 7月12日

***ツールドフランスレポート***
  ツール実況:   
7月12日 - "休息日"
ツールドフランスより Margot Myers

ST. PAUL TROIS CHATEAUX, FRANCE
"休息日" というのは誰か妙な冗談のセンスを持った人が付けたのだろう。
ツー ルドフランスに来るようになって4年、未だ実際に休んでいる人など見たことが 無い。
しかし、ツールの一般的な日常に比べれば選手達にとって楽な日と言うの が正しい。

昨晩チームは、昨日のゴール Revel からそう遠くない Toulouse で過ごした。
メカニックは今朝早くチームトラックに選手の自転車を積んで Carpentras 北部 の小さな町の新しいチームのホテルへと旅立った。
選手達は朝9時に3時間半の車 の移動に旅立った。
彼らは到着すると、既に選手の自転車に掛かっているメカニ ックを見つけ、メディアや地元の見物人の群れも彼らを待ち受けている。
昼食の 後、チームは2時間半の近場を走りに練習に出た。前もって基本的なルールが決 められている。
ホテルの周辺と走り始めの10分程度、報道はビデオや写真撮影が できるが、インタビューは予定されていなかった。
選手達に関して言えば、今日 は休みの日になった。

選手達が外に出ている間、メカニックは自転車の調整をし、マッサーは買い物と 洗濯そしてボトルに水を詰め、バスの運転手はバスの食器棚を掃除して再び食器 を元に戻し、多くのチーム機材機材の供給元の代表が訪れて必要な機材を置いて 行く。
家族と友人が訪れ、携帯電話が始終鳴り、ホテルの公共エリアの全ての小 さな隅々で小さなミーティングが行われている。

一日を通して、我々は明日のステージが行われるモン・ヴァントゥーの情報を聞 かされ続けた。
既に今日その頂上では130kphの風が吹いおり雪になるのではない かと聞いていた。
まさにその時、チームのスポーツディレクター Johan Bruyneel が私にソシエテデュツールドフランスが明日のステージを短縮するか否かの会議 を行うと教えてくれた。
そうすると、選手達は明日のステージのモン・ヴァント ゥーの頂上まで行かなくなるかもしれない。
この日の終わりに決まった事は、今 の予報が風速"たった"60kphと告げているため、当初の予定通り行われるだった。

何故 Lance Armstrong があのようにモン・ヴァントゥーを表現するのか、私は 解り始めた。
彼はモン・ヴァントゥーを好きではないと感じているし、彼も好か れていないと話している。
1951年以来ここは11回ステージで使われているが、こ の歴史的な登りがゴールとなるのは1994年以来初めてだ。
Lance はここを"神秘的" と表現し、ヴァントゥーの頂上は地球のどこよりも月に似ていると述べている。
"あそこに空気は無い。" と彼は言う。標高は1,909m、彼が今迄にツールで登っ たその他の登り、Col du Tourmalet (2,115 meters) や昨年優勝を決定的にした Sestrieres (2,033 meters) よりも低いのだが。
彼はドフィーネリベレで、昨年 元チームメイトの Jonathan Vaughters と先月 Tyler Hamilton と共に非常にう まくヴァントゥーを登った。
さっき私はモン・ヴァントゥーの写真を見た。明日 は実際にこの景色を見ることになる。
本当に植物の無い奇妙な景色だ。

当初明日のステージのツールプレスセンターは、モン・ヴァントゥーの頂上から 約300mの地点に設置される予定だった。
月曜日のオタカムの様に、木製の床の暖 房の無いテントにだっただろう。
競技場や展示会場のような場所にある大きな建 物の中に設置された通常のプレスセンターとは違って、テントはツール記者軍団 にとって災いである。
特に月曜日のルルド・オタカムの様な寒い雨の荒天下では、 暖房の無いテントは最も行きたくない場所だ。
月曜日、Lance の信じがたい勝利 で、私はそんな事も大して気にならない程暖められた。
しかし、今日の決定を主 催者が下すに際し、そんな事は全く関係ないと想像する。
明日また再び風が突風 に変わったら、全ての記者達が、モン・ヴァントゥーの頂上から吹き飛ばされる 状況が目に浮かぶ。
選手達はそれを楽しく見るかもしれないが、良い計画とは思 えない。

私の計画:
着れる服全てを着込む。そうすれば、暖かさとは無縁の場所にいるの に役立つだろう。
そしてモン・ヴァントゥーへ向かう。
願わくばどのようであれ、 良く休んだU.S. ポスタルのチームに神風が吹くように。

フランスからのレポート USポスタルの Margot Myers


Thanks Frank Gonzalez
東郷幹男@東京中野
QFH01400@niftyserve.ne.jp
mikitogo@ns.adgnet.or.jp
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