スペインから、ピレネー山脈を越えた9月中旬のフランスはすでに秋です。
フランス・ピレネーの平野部、昼間は20℃前後まで上がるものの朝8時の気温が8℃、朝晩は冷え込ます。
四方が開けたロケーションの農家経営の小さなキャンプ場。
夕方、黄色くなり始めた木々を持つ小山が幾重にも重なりあって、その先にピレネーの1000mを越す山々が少しだけ赤く輝くという、キャンプサイトから眺めた風景に見とれてしまいました。
他には2組しかいないという寂しいテントサイト、その夕暮れの風景と肌寒さもあいまって「秋」「旅情」「旅の終わり」といった単語が頭の中を巡りました。
翌朝、キャンプ場の端っこに張ったテントの至近距離、電気柵の向こう側で数頭の牛が時おりこちらを眺めながら、ゆったりと草を喰んでいました。
いかにも牧歌的な風景の中に身を置いた事は面白かったのですが、それから数日間、車中とテントの中は彼ら特有の匂いが漂っていました。